儲かるマーケティングに必須「STPの明確化」

経営支援の依頼を受けて企業を回っていると特に製造業に多いのですが、「先生、凄い新製品が出来ました。きっと売れると思いますよ」といって喜んでいる社長に出会います。少し、意地悪いですが、「誰がすごい製品だって言ったのですか?」と質問すると・・・・

要は、つくった本人が凄いと思っているだけで、買ってくれる顧客が見えないモノづくりをしているわけです。ここから私の支援が始まり、売れる商品が出来上がるのです。

(1)狙いの市場・狙いの顧客を明確にする

「製品」は顧客に認められて初めて「商品」になります。つまり、経営とは買ってくれるお客様のために、お客様のニーズに合ったものを買っていただく、この関係がすでに述べた「誘因>貢献」の関係を創りだすのです。

製品開発に携わる人や企画・開発・設計部門に従事する人に多いのですが「マーケティング・マイオピア」という現象があります。これは近視眼的ともいわれ、顧客が見えずにただただ、新製品開発に没頭している人に特有の減少です。ある意味、上手くいっていない企業のほとんどが、マーケティング・マイオピアに陥っているといっても過言ではないでしょう。

自社の「製品」を「商品」として市場で受け入れてもらうには、S(セグメンテーション)、T(ターゲティング)、P(ポジショニング)の三つを押さえた開発、事業展開をすることが必須の条件です。

・Sセグメンテーション・・・市場を細分化する

・Tターゲティング・・・・・細分化した市場で狙いの顧客を明確にする

・Pポジショニング・・・・・市場における競合他社と比較した位置づけ

ソース業界を例にとるとオタフクソースのSTPは明確です。Sセグメンテーションは、ソースを使う料理別市場、Tターゲティングは、お好み焼きを食べる顧客、Pポジショニングは、お好み焼きに特化しており、最大手のブルドックとの競合を避け、業界2位の地位を保っています。

(2)顧客にアピールする自社のポジション

自社の市場での位置づけを明確にするためにポジショニング・マップを作成します。ポジショニング・マップでは、自社の活動上の特異な項目を縦軸・横軸に取り、自社を競合エリアとは違う位置付をします。

そして、このポジショニング・マップに基づき、「競合はここ、自社はここ」という形で魅力的な位置を顧客にアピールします。