利益を増やす方法

会社の利益は、どのようにして得られるのでしょうか。一般的には、

利益=売上高-原価

という計算式で表されます。売上高は、製品を販売することによって得られ、具体的には、実際の製品単価×販売数量×販売品目数の合計となります。

これに対して、費用としての原価が発生しますが、これは、材料や部品の購入費用、社員や現場の作業者に支払う給料・賞与、設備機械の償却費、設備機械を動かすための動力費、事務所・工場家賃、通信費、事務用品費などの費用が発生します。そして、売上高から経営活動で発生した販売費及び一般管理費や支払利息などの費用を差し引いた結果が、その会社の利益ということになります。これは、半年や1年といった一定期間の会社の業績を数字でまとめることになります。これが、決算書です。

決算書には、会社の財産がどのように変化したのかを表す貸借対照表、会社の業績は利益が出たのかを表す損益計算書、資金状況は過不足がないかを表すキャッシュフロー計算書などがあり、これらを総称して財務三表と呼ばれています。これら決算書の数字は、結果を示すものであり、もちろん、変えることはできません。従って、これらの結果をベースにして、どのようにしてしっかりと利益を確保していくのか将来のことを考えることが必要です。そのためには、会社として、いくら儲けたいのかを決めることが大切です。つまり、目標とする利益を設定し、その目標達成のための計画を作成することです。これは、経営という視点から捉えると中期経営計画をもとに作成される年度経営計画にあたります。年度経営計画では、計画した利益をもとに予算の編成を行なうことになります。

利益を増やす方法として考えられる1つめは、売上高を増やすことです。売上高=販売量x販売単価として求められることから、売上を増やすには、販売数量を増やすか、売価を上げることが考えられます。しかし、一般に売価をアップすることは難しく、売上数量アップの面から検討することが中心になります。

2つめは、経営活動で消費される費用の削減を図ることです。費用の削減は、売上高の一部が利益になるのに対して、費用の削減額が、そのまま利益になるというメリットがあります。また、費用の削減は、社内で発生するお金に対して一人一人の社員が中心になり、社員の創意工夫によって達成できるものです。

そして、3つめは、製品の採算性向上を図ることです。売価=原価+利益に基づいて、利益の割合を高めることです。製品の売価にどれだけの利益が含まれるのかが重要です。

売上高のアップと費用の削減は、相互に関連しています。一方だけを推し進めることをしても、もう一方に影響が出るものです。相互の関係を理解し、製品の視点から利益の確保を捉えることなのです。収益性の向上を図るためには、3つめの製品の採算性管理がもっとも重要になります。