課題を形成する
(1)事業を取り巻く環境を把握する
職場の課題を形成するための第1のフェーズは「職場を取り巻く環境を把握する」ことです。この環境には内部環境と外部環境が存在しており外部環境を把握するためには、①経営基盤 ②企業活動 ③市場 ④業界・競合、また、内部環境を把握するためには、①企業(組織)の方向性、②上位部門の方向性、③上司の期待・要請、④関連する他の部門・部署の期待・要請といった内容を検討します。
(2)職場のあるべき姿を描く
職場の課題を形成するための第2のフェーズは「職場のあるべき姿を描く」ことです。このあるべき姿とは「将来どのような職場になっていたいのか、どうあるべきと考えるのか」という職場の推進すべき方向性を検討することです。なお、職場のあるべき姿を描くためには、①職場の仕事の範囲・領域、②職場の使命の検討、を踏まえて導き出すことになります。
(3)問題を把握する
職場の課題を形成するための第3のフェーズは、「問題を把握する」ことです。この問題の把握とは、描いた職場のあるべき姿と現在の職場の状況を比較することで導き出すことが出来ます。なお、問題を把握するためのポイントとしては、①問題の根拠を明確にする、②問題を事実と共にとらえる、③問題の原因を探る、④問題を整理する、ことです。
(4)職場の資源を把握する
職場の課題を形成するための第4のフェーズは「職場の資源を把握する」ことです。職場の資源を把握するためには、①ヒト(人的資源)、②モノ(物的資源)、③カネ(資金的資源)、④情報(情報的資源)の方向性からと併せて、活用するしくみについてそれぞれの強み、弱み、改善、補強、強化する点を検討します。
以上の検討を通じて課題を形成していくことになります。尚、課題を検討する際には、
・その課題に取り組むことで問題が解決できるのか
・その課題に取り組むことで、あるべき姿の実現に近づけるのか
・その課題は重要度が高いと思われるか
・その課題は革新につながるものなのか
・他の部署にプラスの影響を与えられそうか
等といった点を押さえて検討することが大切です。
<課題を形成するポイント>
以上の検討を踏まえて課題を形成することになりますが、ここでは実際に職場の課題を形成するためのポイントについて考えてみることにします。
(1)目的を明確にする
課題を形成する際に、目的が明確になっていないと、何のために取り組むのかが曖昧になったり、取り組みがいい加減になってしまったりする恐れがあるので、その課題の目的が明確になっていることが必要です。 たとえば、課題を形成する際には「~するために~をする」というように目的が明確になるように表現することが大切です。
(2)課題を列挙する
課題は一つとは限りません。問題によっては、取り組むべき課題が複数存在することがあります。従って、初めから、取り組む課題を決めてかかったり、絞り込んでしまうと、他に取り組むべき優先課題があるにもかかわらず、その課題を見失ったり、また、その課題そのものを間違えたりする可能性があります。課題を形成する際には、初めから決めつけ、絞りこみをせず、考えられる課題をできるだけ多く出すことが大切です。
(3)課題を絞り込む
出された課題に対して、全てに取り組むことはできません。職場の資源にも限りがある以上、取り組める 課題にも限りがあります。また、無理して取り組んだとしても中途半端になってしまったり、逆に問題を大きくしてしまったりすることにもなりかねません。 そこで職場の資源を考慮しながら、出された課題の中から何を優先的に取り組むか(取り組まなければならないか)という観点で課題を絞り込むことが必要です。
(4)課題を再検討する
課題を絞り込んで一度決めたとしても、後から振り返ってみると、その課題以外に優先的に取り組まなければいけなかった課題があったりします。従って、課題は一度決めたとしても、もう一度見直して最終的なチェックをすることが大切です。