イノベーション普及理論
エベレット・ロジャースのイノベーター理論で明確にした5つの採用者カテゴリーは有名ですが、その理論の中でロジャースは商品が普及する要件を5つあげています。マーケティングの専門家の間では、一見、売れないだろうと思った商品でもこの5つの要件を満たしていれば売れるといわれています。ベープマットを例にとりながら、この5つの要件を以下の通り示しておきます。
(1)相対的優位性
既存のものより優れていると知覚される度合いで、今まで使っていたものに比べ、いかに優れているかの要件です。ベープマットはこれまでの蚊取り線香に比べ、煙が出ない、火を使わないので安全、という利点があります。
(2)両立可能性
既存の価値観や必要性と相反しないと知覚される度合いで、当面はこれまで使っていたものと併用・両立ができる要件です。これまでの蚊取り線香とベープマットは両立できます。
(3)複雑性
理解や使用が困難だと知覚される度合いで、その構造などが理解できないほど複雑ではない要件です。ベープマットはマットをセットして電気を通すだけで複雑さはありません。
(4)試行可能性
試しに経験できる度合いで、本格的な導入の前に効果を認識できる要件です。ベープマットは、一度、使ってみるだけで効果を時間できます。
(5)観察可能性
採用して使用した結果が他人の目に触れる度合いで、効果が目に見えて観察できる度合いです。ベープマットは、当初は煙が出ず無臭であったためこの要件が劣っていたが、香りをつけ、経時変化を色で示すことでこの要件をクリアしました。