集中化戦略
競合他社に対して総合的にコストリーダーシップや差別化で競争優位に立てなくても、特定地域や特定顧客に競争の範囲を限定することで、限定的に競争優位が実現する。つまり市場あるいは産業における特殊セグメントに限定した範囲で競争優位を目指す。これを集中化戦略といい、集中化戦略はさらにそのターゲット・セグメントの中でコスト・リーダーを目指すコスト集中と差別化を目指す差別化集中という二つの戦略に分類できます。
たとえば、旅行業界で、JTBや日本旅行など大手は、すべての顧客に対してのメニューをそろえて提供しているが、阪急交通社が参入した時には、将来、増加することが統計上見込まれていた「高齢者」向けに集中したメニューをそろえて大手に対する「差別化集中戦略」をとって成長してきた。
一方、航空券の業界で、格安航空券という限定されたセグメントに集中している戦略をとるHISが「コスト集中」で一定の市場を築いている。
集中化戦略をとる際には、セグメント選定に二つの基準があることを理解しておくことが大切です。
1.自社の経営資源、組織能力の強みを発揮できるセグメントか
2.成長性、収益性の視点で魅力的なセグメントか