競争戦略の構築ステップ(3)
2)ビジネスモデルの構築
②コア・コンピタンスの明確化
コア・コンピタンスとは、市場において競争優位を確立するための企業の中核的能力で、企業が持つ「独自の生産技術・ノウハウ」「販売・経営管理ノウハウ」「人材スキル」などが組織の中で一体となった能力です。コア・コンピタンスを市場において充分に活かすためには、3つの視点で対応することが大切になります。
つまり、競合に対して自社のコア・コンピタンスで、どのように「差別化」し優位に立つか、顧客に対して、自社のコア・コンピタンスを使ってどのような「利便性を提供」して顧客満足度を高めるか、そしてそれらの結果として、どのように標的市場全体に「影響」を与えていくか、です。企業としては、競合に対する「差別化」構築と顧客に対する「利便性の提供」のためにコア・コンピタンスに経営資源を集中的に投資していくわけです。
市場において優位に立っている企業は、自社の持つコア・コンピタンスを用いて明確なビジネスモデルを構築しています。以下の3つの例を参考にすると明確でしょう。
例1 アスクル 差別化されたビジネスモデルと商品開発力
例2 宅急便 正確な宅集配のビジネスモデル
例3 ショコラBB 女性層へのブランド訴求力と製品力(錠剤)
以上3社の事例(プラス、ヤマト運輸、エーザイ)でみたようにこれら企業は、明確なビジネスモデルによって、ターゲット顧客とそのニーズに対して自社のコア・コンピタンスで「利便性を提供」し競合と「差別化」することによって市場における競争優位を築いています。
つまり、誰の、どのようなニーズに対して、どのような自社の能力を使って、商品やサービスを提供するか、が明確にビジネスの中に表現されています。