経営戦略の構成要素(2)
シナジー
企業が二つ以上の事業活動を実施する時、それぞれの事業を互いに関連付けて行うと、個別に行うよりも大きな経営成果を得ることが出来ます。このように、1+1=2ではなく、3にも4にもなる状態をシナジー(相乗効果)といいます。シナジーは経営資源を異なる事業活動で共通利用することから生まれます。これは範囲の経済性に近い考え方です。
シナジーは使用する経営資源に応じて、販売シナジー、操業シナジー、投資シナジー、経営管理シナジーなどに分類できます。たとえば、自動車工場では、スポーツカーの生産ラインや部品をセダンと共通利用することにより、生産コストを引き下げることが出来ます。この場合、操業シナジーが生まれているのです。
多角化戦略の時、シナジーが特に重要です。企業が新しい製品や市場に参入しようとするとき、新しい製品・市場と既存の製品・市場の間で既存の生産設備、販売経路、技術などを共用することでシナジーが得られます。シナジーは利益率を高めるだけでなく、事業リスクの軽減ももたらします。